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「英語の4技能」はもう古い?

英語の4技能といえば、

リスニング、リーディング、スピーキング、ライティング

の4つですね。

ご存知の方も多いと思います。


従来の文科省の学習指導要領(外国語)でも、英語を4技能に分けて、「聞くこと」、「読むこと」、「話すこと」、「書くこと」の英語力を育成する取り組が行われてきました。


しかし、現行の学習指導要領のもとでは、4技能5領域になっていること、ご存知でしたか?


現行の学習指導要領は、小学校では2020年度から、中学校では2021年度から実施されているものです。

そこでは、英語を4技能5領域に分け、領域別に学習目標を設定しています。


では、5つの領域とは何でしょうか?



■ 現行の学習指導要領では4技能5領域


1. 「聞くこと」

2. 「読むこと」

3. 「話すこと」(やり取り: Spoken Interaction)

4. 「話すこと」(発表: Spoken Production)

5. 「書くこと」


新学習指導要領では、従来の「話すこと」を2つに分けて、

  • 「話すこと」(やり取り: Spoken Interaction)

  • 「話すこと」(発表: Spoken Production)

としています。


つまり、「話すこと」にさらに重きを置いた内容となり、生徒のコミュニケーション能力をさらに伸ばそうとする狙いが見られます。


それぞれについて、もう少し詳しく見てみましょう。

話すこと(やり取り: Spoken Interaction)
ア 関心のある事柄について,簡単な語句や文を用いて即興で話すことができるようにする。
イ 日常的な話題について,事実や自分の考え,気持ちなどを整理し,簡単な語句や文を用いて伝えたり,相手からの質問に答えたりすることができるようにする。
ウ 社会的な話題に関して聞いたり読んだりしたことについて,考えたことや感じたこと,その理由などを,簡単な語句や文を用いて述べ合うことができるようにする。



■ 「話すこと(やり取り)」で求められているスキルとは?


双方向の会話を想定し、コミュニケーションのキャッチボールができる能力を求めたものです。日常の会話からディスカッションなどの討論に至るまで、相手と継続した会話ができるようになることを求めています。「即興で話すことができるように」とあるように、場面、場面に応じて、自分の考えや気持ちをその場で的確に伝える能力が求められています。



話すこと(発表: Spoken Production)
ア 関心のある事柄について、簡単な語句や文を用いて即興で話すことができるようにする。
イ 日常的な話題について、事実や自分の考え、気持ちなどを整理し、簡単な語句や文を用いてまとまりのある内容を話すことができるようにする。
ウ 社会的な話題に関して聞いたり読んだりしたことについて、考えたことや感じたこと、その理由などを、簡単な語句や文を用いて話すことができるようにする。


■ 「話すこと(発表)」で求められているスキルとは?


聞き手に対して一方向で話して、内容を伝えることができるようになることを求めたものです。まとまりのある内容を発表する機会の例を挙げれば、発表、プレゼン、報告、スピーチ、挨拶などの場面でしょうか。こうした場面を想定したものだと言えます。いわば「伝える力」を身に付けさせることに主眼が置かれています。




■ 英語指導の目標設定 基準はCEFR


ちなみに、文科省による英語指導の目標設定は、外国語の学習・指導・評価の国際的な基準であるCEFR(Common European Framework of Reference for Languages: Learning, teaching, assessment)を参照にして行われています。

CEFRにおいても、「聞くこと」、「読むこと」、「話すこと(やり取り)」、「話すこと(発表)」、「書くこと」の5つの領域で英語の目標を設定しているので、今回の改訂はこうした国際基準を多く取り入れたものだと思われます。



■ 将来は4技能6領域?


「話すこと」を2つの領域に分けて、「話すこと(やり取り)」と「話すこと(発表)」とした点については、CEFRを参照にして作成されたということ、そして、近年のコミュニケーション重視の流れを踏まえているということでした。しかし、今後は、「書くこと」においても同様の領域が追加され、「書くこと(やり取り: Written Interaction)」と「書くこと(発表: Written Production)」の2項目が誕生するかもしれません。従来では、レターやレポートなどといった、読み手に向けて一方的に書かれているものが多かったのですが、現在のインスタントメッセージやSNSの発達にともない、即座のやり取りを必要とされる場面が増えてきました。こうした状況を鑑みると、これまでさほど重視されていなかった「書くこと(やり取り: Written Interaction)」にも目が向けられる可能性があります。

そう遠くない将来に、「書くこと(やり取り: Written Interaction)」と「書くこと(発表: Written Production)」という新ジャンルができるかもしれませんね。




<<参考文献>>


文部科学省.【外国語編】中学校学習指導要領(平成29年告示)解説.

(参照 2022-10-06).


Council of Europe. Self-assessment Grids (CEFR).

(参照 2022-10-06).

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