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【保存版】プロが解説!永住権のための IELTS vs CELPIP -どちらを受けたらいい?


▷ この記事では、以下について詳しく解説しています。


 


カナダの永住権を自身で取得する場合、英語またはフランス語のいずれかにおいて、一定の語学力があることを証明する必要があります。


英語力の場合、IELTS(ジェネラル)もしくは、CELPIP (ジェネラルテスト) の2つが、カナダ連邦移民局公認の試験です。カナダ永住権を目指す場合、この試験のどちらで必要スコアを取得する必要があります。


そこで悩むのが、

IELTS vs CELPIP -どちらを受けたらいい?という問題。


今回の記事では、IELTSとCELPIPのそれぞれの特徴について詳しく説明します。

どちらの試験が自分にあっているのかを考えるときの参考にしてみてください。



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■ IELTS vs CELPIP - どちらがいいの?


「IELTS、CELPIP、どちらのテストを受けたらいいか?」という質問は、生徒さんから寄せられる質問ナンバーワンと言っても過言ではないほど、本当によく聞かれる質問です。


どちらのテストを受けるかは、生徒さん個人の状況により、大きく異なります。


まず、 IELTSとCELPIPは異なるテストで、形式や内容に違いがあります。以下に述べるテストの特徴を比較して、どちらのテストの方が自分により合っているかを考えてください。


それでも迷ったら、両方のテストを実際に受験してみることをお勧めします。ただ、受験料はそう安くはないので、受験はまだしたくないという方は、無料のサンプルテストの問題を解いてみて、どちらが自分にあっているか考えてみるというのも良いかもしれません。


重要なのは、本格的な勉強を開始する前に、IELTSとCELPIPのどちらで勉強を進めるか、方針を固めておくことです。もちろん、途中で別の試験に切り替えることもできますが、 IELTSとCELPIPは特徴が異なる試験ですので、例えで言うと、一度登っていた山をやめて、別の山をまた登るようなものだと思ってください。それくらい、新しく身に付けなければいけないスキルがあったり、形式慣れが必要だったりします。


ということですので、それぞれのテストの特性をよく理解して、自分にあったテストを選ぶようにしましょう。




■ CELPIPの方が簡単というのは本当!?


「CELPIPの方がIELTSよりも簡単だ」といううわさを聞いたことはありませんか?

カウンセリングをしていると、実に多くの生徒さんが、「CELPIPの方が簡単だと聞いたので、そっちで勉強したいと思っています。」と答えられます。


ですが、私たちプロは、CELPIPの方がIELTSよりも簡単だとは決して思いません。

理由については後述しますが、IELTS、CELPIP、どちらの試験も、受験者の言語レベルを正しく評価するために研究を重ねて開発された試験であり、どちらも難易度が同じになるように調整されている試験だと考えるからです。


実際にCELPIPを勉強している生徒さんを見ていても、IELTSを勉強している生徒さんと比べて、簡単にスコアアップができるという傾向は見られません。


ただし、IELTSとCELPIPにはそれぞれの特徴があります。

それら試験の特徴が、生徒さんの特徴とどのようにマッチするか?

私たちプロは、この点に特に気をつけて助言や指導を行っております。




■ IELTS vs CELPIP - 英語指導のプロが助言する際に着目する観点とは?


「IELTS、CELPIP、どちらのテストを受けたらいいですか?」の質問に対して、私たち英語指導のプロは、まずは生徒様とのカウンセリングの中から情報を引き出します。その情報から得た複数の観点を、試験(IETLS・CELPIP)の特徴と照らし合わせた上で、どちらの試験がその生徒さんに適しているかを分析してお伝えしています。


私たちが着目する観点は以下のようなものです。

  1. 英語圏の滞在歴

  2. 最終学歴(高校卒業, 大学卒業など)

  3. 職業・仕事

  4. 日常生活での英語環境の有無

  5. 英語学習経験

  6. 英語試験の受験歴

  7. 英語の得意・不得意スキル

  8. 母国語の得意・不得意スキル

  9. 学習意欲・目的意識・モチベーション

  10. 住んでいる地域(近くに試験会場があるか)


ですので、

「◯◯のテストの方が簡単だから、そっちにしなさい。」という短絡的なアドバイスは決してしません!

(逆に、このような答え方をする英語講師やチューターがいたら、要注意です。)


上記の通り、IELTS、CELPIPのどちらを受けるかについては、生徒さん個人の選択と、試験の特徴との兼ね合いに注意する必要があります。


今回の記事では、IELTSとCELPIPの特徴を説明しますので、それらの情報をもとに、どちらを受けるべきかについてよく考えてみてください。


その前に、永住権に必要な英語スコアについて、確認しておきましょう!




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■ カナダ永住権を取得するには、英語スコアはどれくらい必要?


カナダ連邦移民局が定める、カナダ永住権申請に必要なスコアは、以下の通りです。


Federal Skilled Worker Programで申請する場合、  → CLB7以上


Canadian Experience Classで申請する場合、  →TEER 0 or 1 で、CLB7以上  →TEER 2 or 3 で、CLB5以上


*CLB: The Canadian Language Benchmarks (CLB) の略で、カナダで英語力を測る指標となるスコア。

*TEER: Express Entry Programsで申請する際に基準となる職業のカテゴリー



IELTS、CELPIPのいずれの試験も、有効期限は受験日から2年間です。

有効期限があるので、申請の際には十分注意してください。


他の移民プログラムによっては、英語力の要件が異なる場合がありますので、移民局のウェブサイトで確認することをお勧めします。

  • カナダ連邦移民局ウェブサイト: https://www.canada.ca/en/services/immigration-citizenship.html



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■ CLBとは? IELTS, CELPIP それぞれのスコアは何点?


CLBとは、The Canadian Language Benchmarks (CLB) のことで、英語力を評価する際にカナダで用いられる指標です。IELTSのスコア、CELPIPのスコア、どちらもCLBのスコアに置き換えられます。


例えば、

  • CLB7は、 → IELTS : 全セクションで 6.0点 → CELPIP : 全セクションで 7点

  • CLB5は、 → IELTS : リーディング 4.0点、他のセクションは 5.0点 → CELPIP : 全セクションで 5点

となります。

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CLBをIELTSに換算した場合のスコア


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CLBをCELPIPに換算した場合のスコア



■ IELTSとCELPIP、それぞれの特徴を教えて!


それでは、IELTSとCELPIPのそれぞれの特徴について解説していきましょう。



● 受験時間・問題数


まずは、受験時間・問題数についてです。

以下の表の通り、試験時間の長さは、どちらも合計で約3時間です。

各セクションの試験時間は、多少のばらつきこそありますが、大きな差はないと言って良いかと思います。


リスニングとリーディングの問題数に関しても、IELTSが40問に対して、CELPIPが38問なので、ほとんど同じ量です。


ただし、CELPIPのリスニングは、制限時間(47~55分)に対して38問の問題があるので、IELTSに比べると、1問あたりの回答時間が短いと感じるかもしれません。


少し注意したいのは、スピーキングです。

IELTSのスピーキングは、試験時間(11~14分)に対してセクションは3つですが、CELPIPは試験時間(15~20分)に対してセクションが8つもありますので、CELPIPスピーキングはかなりの対策が必要だと言えます。セクションごとの傾向をよく理解した上で試験に臨んでください。



● 受験形式


次に、受験形式についてです。

IELTSとCELPIPで、大きく異なる点が2点あります。


まず、受験自体の形式です。

  • IELTSはペーパー版とコンピューター版の2種類から選択できますが、CELPIPはコンピューター版の1択のみです。

  • よって、タイピングに慣れていないという方は、IELTSのペーパー版の受験をお勧めします。

  • コンピューター版でのライティング試験は、コピー&ペーストや編集などがしやすいという利点がある反面、タイピング自体に慣れていないと、時間内にタスクを完了できないというリスクがあります。


次に、スピーキング試験です。

  • IELTSでは、ペーパー版・コンピューター版に関係なく、試験官(人間)との面接により、スピーキング試験が行われます。

  • 一方、CELPIPはスピーキング試験もコンピューターで行われるため、受験者はコンピューター画面を見ながら、マイクに向かって回答を述べるます。CELPIPのスピーキング試験には、人間との双方的な会話のやり取りはなく、全て一方的なスピーチのような形式になるため、この形式に慣れていない人には難しいかもしれません。また、CELPIPのスピーキング試験には、各問題に準備時間と解答時間の時間制限があり、カウントダウン形式で表示されます。これがストレスや緊張につながると言う受験生も多くいます。




● その他の比較


最後に、その他の比較についてです。


一番のポイントは、リスニング試験で使用されている英語の種類(国別のアクセント)です。

  • IELTSは、国際的な英語試験であるため、さまざまな国・地域のアクセントが採用されています。具体的には、イギリス、アメリカ、カナダ、オーストラリア、ニュージーランドなどの特徴的なアクセントが取り入れられています。アクセントだけでなく、語句や表現においても、カナダでは馴染みのない英語表現や言い回しに出くわすことがあります。

  • 一方で、CELPIPはカナダ特有の英語試験ですので、リスニング試験で聞こえてくる英語はカナダのアクセントに限定されています。英語表現も、主にカナダで使われている表現や言い回しが出題されます。


次に着目したいポイントは、教材の豊富さや種類についてです。

  • IELTSは40年以上の歴史がある試験ですので、教材の量も種類も豊富です。公式本はもちろん、試験の傾向や対策を分析した市販教材も多数販売されているので、自分にあった教材を見つけることができます。練習問題が豊富にあるため、量をこなして試験慣れしたいという人にはおすすめです。ただし、IELTSには2種類の試験(アカデミックとジェネラル)があるので、選択を間違いないようにしましょう。(カナダ永住権の申請には、IELTSジェネラルを選択する必要があります。)

  • 一方で、CELPIPは2015年に導入されたカナダ特有の英語試験で、英語試験としては比較的新しい試験です。そのため、公式問題はありますが、市販教材や対策本の種類はそう多くはありません。ほとんどの教材が、CELPIPの運営元であるParagon Testing Enterprises社の独占販売です。このため、数をこなして試験慣れをしたい人にはCELPIPは不向きです。教材は、本(紙)の教材もありますが、大半の教材がオンライン上で解答する形式のもので、有効期間がすぎると教材にアクセスができなくなることがあるので注意が必要です。

受験料について、簡単にまとめておきます。

  • IELTSよりも、CELPIPの方が安いです。

  • IELTSは340ドル前後です。

  • 会場によって料金が若干異なりますので、会場ごとの料金を確認してください。

  • CELPIPは会場に関係なく 280ドル (+税) です。

受験可能日については、

  • IELTSのコンピュータ版は、ほぼ毎日、開催されています。

  • IELTSのペーパー版は、受験日が限られているので注意してください。

  • CELPIPは、受験する地域によって異なるので、公式サイトから確認してください。金曜〜日曜日で受験が可能なところが多いです。


以下の表を参照してください。




■ まとめ - IELTSとCELPIPの特徴 



共通点(IELTSCELPIP

  • カナダ連邦移民局公認の英語試験で、試験結果は永住権の申請に利用できる。

  • 4つのセクション(リスニング、リーディング、ライティング、スピーキング)から成り立つ。

  • 試験会場に行って、受験する必要がある。(自宅受験は不可。)

  • 試験時間の長さは、どちらも全体で約3時間で、各セクションの制限時間も大差はない。

  • 試験の内容は、日常生活や仕事に関連したもので、英語圏での一般的なコミュニケーションを想定したもの。



相違点(IELTSCELPIP

IELTS

CELPIP

  • 受験形式は、ペーパー版とコンピューター版の2種類から選択できる。

  • 国際的に広く認知されている英語能力試験であり、カナダや日本を含む、多くの国で受験できる。

  • 内容は、日常生活や就労など、一般的な目的に適したものではあるが、カナダの生活環境に特化したものではない。

  • 受験料は、CELPIPよりも若干高い。(約340ドル, 2023年時点)

  • 教材や過去問の種類は豊富。市販教材や対策本の数、バリエーションが豊富。

  • スピーキング試験:対人で、実際の面接官とのやり取りで行われる。相互的な会話のやり取りが一部ある。

  • スピーキング試験:セクション数は3つで、比較的対策が取りやすい。

  • リスニング試験:さまざまな国・地域のアクセントが採用されている。

  • ライティング試験(タスク2):社会問題などについての英文エッセイを250文字程度で書く力が求められる。


  • 受験形式は、コンピューター版の1種類しかない。

  • 国際的な認知度はそれほど高くなく、受験会場はカナダ国内と、一部の海外地域に限られている。

  • 内容は、日常生活や就労などの一般的な目的に適したもので、かつ、カナダの文化やコミュニケーションに関連する状況に焦点を当てたもの。

  • 受験料は、IELTSよりも若干安い。(約280ドル, 2023年時点)

  • 教材や過去問の種類は限定的。大半が、オンライン上でアクセスする形式の教材。

  • スピーキング試験:対コンピュータで行われ、発話が録音される。発話は一方的。また、制限時間内にマイクに向かって話しかけなければいけないので、かなりの慣れが必要。

  • スピーキング試験:セクション数は8つで、対策を取るのが難しい。

  • リスニング試験:採用されているアクセントは、カナダ英語のみ。

  • ライティング試験(タスク2):2つの選択肢を比較しながら、自分の意見を150~200文字で述べる力が求められる。



いかがでしたでしょうか?


このように見ると、IELTSとCELPIP、大きく特徴が異なることに気がつきます。

それぞれのテストの特性をよく理解して、自分にあったテストを選び、目標点獲得に向けた勉強に励んでください!



 

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