海外在住の日本人が、日本語で英語を学ぶ利点
- eblstoronto
- 21 hours ago
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Updated: 6 hours ago

海外で生活している、あるいは将来海外で進学や就労、移住を考えている日本人にとって、「英語力」は人生の選択肢を大きく左右する重要な要素です。英語ができれば仕事の幅が広がり、人間関係も豊かになり、海外での生活は格段にスムーズになります。
一方で、「海外に住んでいるのに英語が思うように伸びない」「現地にいるのだから自然に話せるようになると思っていた」という声が多いのも事実です。英語環境に身を置くだけでは、必ずしも英語力が伸びるわけではありません。
英語学習の方法としてよく聞くのが、「英語は英語で学ぶべき」「日本語を使うと上達しない」という考え方です。しかし、本当にそれはすべての日本人学習者に当てはまるのでしょうか。
本記事では、海外にいる日本人英語学習者が、日本語を使いながら英語を学ぶことの利点と、その学習効果について、教育現場での実例を踏まえながら詳しく解説します。
▷ この記事では、以下について詳しく解説しています。
海外在住日本人が直面しやすい英語学習の現実
海外に来たばかりの頃は、英語に囲まれた環境に期待を抱く方も多いでしょう。しかし実際には、次のような悩みを抱える日本人学習者が少なくありません。
生活に必要な日常英会話がスムーズにできない
日常会話では相手の言っていることは何となく分かるが、自分の言いたいことが言えない
文法の知識はあるのに、実際の会話で活かせない
分からないことがあっても、英語で質問する勇気が出ない
馴染みのない題材になると、会話についていけない
これらの背景には、日本語と英語の言語構造の違いだけでなく、日本人特有の学習スタイルや価値観も影響しています。
ネイティブ講師による英語オンリーの授業では、説明自体が理解できず、疑問点が積み残されたまま進んでしまうこともあります。その結果、「なんとなく分からない状態」が積み重なり、学習効率が下がってしまうのです。
日本語で学ぶことがもたらす理解の速さと深さ
日本語を使いながら英語を学ぶ最大のメリットは、理解のスピードと深さが格段に向上することです。
文法や構文、語彙の使い分けを日本語で説明されることで、「なぜそうなるのか」が明確になります。英語を英語のまま丸暗記するのではなく、日本語で一度整理することで、知識が構造的に頭に入ります。
例えば、時制や仮定法、関係代名詞など、日本人が苦手としやすい文法項目も、日本語で背景や考え方を理解することで、実際の運用につなげやすくなります。
特に、IELTS、TOEIC、TOEFL、帰国生入試など、正確な理解と論理的な運用力が求められる試験対策では、日本語による解説が学習効果を大きく高めます。
日本人講師だから分かる「日本人特有のつまずき」
日本人英語講師は、自身も英語を第二言語として学んできた経験を持っています。だからこそ、日本人がどこで混乱し、どの段階で壁にぶつかりやすいのかを具体的に理解しています。
冠詞や前置詞の感覚がなかなか身につかない理由
日本語の語順のまま話すと不自然になる原因
発音やリズムが通じにくくなるポイント
こうした問題を、「感覚的に」ではなく、「日本語で理論的に」説明できることは、日本人講師ならではの強みです。
日本人英語講師による指導では、英語そのものだけでなく、現地で実際に使われている表現や文化的背景も学ぶことができます。
学校、職場、日常生活での英語表現を、日本語で補足しながら学べるため、「実際に使える英語」が身につきやすいのも大きな特徴です。
心理的安全性が学習の継続を支える
英語学習が途中で止まってしまう理由の多くは、能力不足ではなく心理的な負担にあります。
「こんなことも分からない自分はダメなのではないか」
「何度も同じ質問をしてはいけないのではないか」
「間違えた英語を話すのが怖い」
日本語で質問や相談ができる環境は、こうした不安を大きく軽減します。分からないことをその場で解消できることで、学習が前向きなものになり、結果として継続しやすくなります。
特に海外生活では、言語の壁が精神的な孤立につながることもあります。日本語で安心して話せる学習環境は、英語学習だけでなく、生活全体を支える存在にもなり得ます。
日本語を使うことは「甘え」ではない
英語学習について話すと、特に海外では 「日本語を使わず、英語だけで学ぶべきだ」 「母語に頼ると、いつまで経っても英語が伸びない」 といった意見を耳にすることがあります。
確かに、ある程度英語力が高く、英語での説明を理解できる段階にある学習者にとっては、英語オンリーの環境が有効な場合もあります。しかし、それがすべての日本人学習者に当てはまるわけではありません。
特に、英語に苦手意識がある方や、基礎を固めている途中の段階では、「日本語を使わないこと」そのものが目的になってしまい、本来の理解がおろそかになるケースも多く見られます。
日本語を使って英語を学ぶことは、決して「楽をしている」「甘えている」わけではありません。むしろ、理解を深め、学習を加速させるための戦略的な選択です。
文法の仕組み、語彙の使い分け、英語特有の思考プロセスを、日本語で一度整理することで、学習者は「分からないまま進む」状態を避けることができます。分からない部分を曖昧にせず、その場で言語化・理解できることは、長期的に見て大きな差を生みます。
また、日本語で理解した内容を英語でアウトプットするプロセスは、決して遠回りではありません。むしろ、
日本語で概念を理解する
英語に置き換えて表現する
実際の場面で使ってみる
という段階を踏むことで、知識は「使える英語」として定着していきます。
第二言語習得理論においても、母語は学習を妨げる存在ではなく、新しい言語を理解するための土台と考えられています。母語である日本語を適切に活用することで、学習者はより深く、より安定して英語を身につけることができるのです。
重要なのは、日本語を「逃げ道」にするのではなく、英語力を高めるための橋渡しとして使うことです。日本語を上手に活用できる環境は、結果として英語で考え、英語で表現する力へとつながっていきます。
まとめ:日本語を味方に、自分に合った学び方を
英語学習に万能な方法はありません。大切なのは、自分の目的やレベル、生活環境に合った学び方を選ぶことです。
海外にいる日本人学習者にとって、日本語を使って学べる環境には多くのメリットがあります。
理解が早く、迷いが少ない
不安が軽減され、学習が続きやすい
試験や実生活に直結する力が身につく
英語は目的そのものではなく、人生を豊かにするための手段です。日本語という強みを上手に活用しながら学ぶことで、より効率的で確実な英語力を身につけ、海外での生活や将来の選択肢を広げることができます。
自分に合った学び方を選び、日本語を味方にすること。それが、海外在住の日本人が英語を最短で習得するための鍵となるでしょう。
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