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ビジネス英語について考える

「ビジネス英語」と聞くと、何を思い浮かべますか?


 \ ビジネス英語 = TOEICの高得点! /


と思う人もいるかもしれません。


確かに、TOEICは、英語力の指標として日本の多くの企業が採用している試験ですし、出題内容もビジネスの場面を意識したものが多く取り入れられていて、ビジネス分野で使用される語彙も多く出題されます。よって、TOEICの高いスコアは、ある程度のビジネス英語の運用能力を証明するものであると言えると思います。


しかし、実際に英語を使って、グローバルに活躍するために必要なスキルは、ビジネス分野の語彙・文法の基礎知識にとどまるものではないと考えます。


筆者は、カナダ・トロントで、主に日系企業の駐在社員の方を対象に、10年以上に渡って英語指導・英語コーチングを行っています。この経験から言えることは、「ビジネス英語」を構成する要素は、ただ単に、ビジネス分野の語彙・文法だけではないということ。むしろ、こうした基礎英語力は前提条件。

真の意味での「ビジネス英語」を身につけるためには、それ以外にも磨くスキルがあると考えています。




■ EBLSが考える「ビジネス英語」とは?

  1. 基礎英語力・コミュニケーション力

  2. ロジカルシンキング

  3. リーダーシップ

  4. 異文化適応力




■ 「ビジネス英語」を定義してみる


ビジネス英語は、今日のグローバルなビジネス環境で必要不可欠なスキルの一つです。

ただし、ビジネス英語と言っても、どのような場面で運用される英語か、対象となる相手は誰か、何を目的に使用する英語か、といった状況に応じて大きく異なると想定されます。

そこで、EBLSでは、日本人にとっての「ビジネス英語」を「英語を使ってグローバルに活躍するために必要なスキル」と広い意味合いで定義しています。

そして、ここで言うビジネス英語とは、1)基礎英語力・コミュニケーション力、2)ロジカルシンキング、3)異文化理解、そして4)リーダーシップ能力、の4つを組み合わせたものであると考えます。





1. 基礎英語力・コミュニケーション力


まず、基礎英語力・コミュニケーション力とは、英語を話す相手と基本的な会話ができる能力です。これには、英語の4技能(リスニング・リーディング・ライティング・スピーキング)の基礎力が必要です。そして、これらの技能を可能にする基礎的な単語力や文法の知識も不可欠です。さらには、英語の発音やアクセントにも注意が必要です。正しい発音で話すことで、相手に伝わりやすく、スムーズなコミュニケーションが可能になります。 基礎英語力・コミュニケーション力は、英語力を向上させる上で重要なステップです。初心者から始める場合は、まずは基本的な表現やフレーズを覚え、繰り返し練習することで、自信を持って英語を話すことができるようになります。ビジネス英語には、この基礎英語力・コミュニケーション力が必要不可欠で、むしろ、この能力を身につけていることが前提条件となります。





2. ロジカルシンキング


「ロジカルシンキング」は論理的思考のことで、一般的には、情報を分析し、合理的な判断を下す能力です。ビジネスの場面においては、交渉やマーケティング戦略、問題解決などの場面には、ロジカルシンキングが欠かせません。ビジネス英語においては、このようなロジカルシンキングをもとに、伝えるべき事柄を整理し、論理的に構成して、相手に明確に伝えることが重要です。英語では、スピーチやプレゼンなどの話す際にも、レターやレポート、論文などの書く際にも、基本的には結論が先に来て、その後に理由や根拠、説明、事例などが続きます。こうしたことから、英語を話す人は自然と論理的に物事を伝える習慣がついているようにみられます。一方で、日本語でのコミュニケーションスタイルは、起承転結型や時系列型に代表されるように、なかなか結論が出てこないスタイルが多くみられます。このスタイルで英語でコミュニケーションを図ろうとしても、英語を話す相手に伝えたいことが理解されないことがよくあります。ロジカルシンキングを磨くことで、英語のコミュニケーションスタイルを学ぶことができるだけでなく、ビジネスの際に的確に物事を伝えることができるようにもなります。





3. リーダーシップ


リーダーシップのスキルは、ビジネス環境で働くすべての人にとって非常に重要です。チームを率いたり、プロジェクトをリードしたりする場合にはリーダーシップが求められます。また、個人としての役割を果たす場合でも、同僚や他のメンバーを鼓舞したり、モチベーションを高めて成功に導いたりすることが求められます。では、リーダーシップがなぜビジネス英語の要素に組み込まれているのでしょうか?それは、リーダーシップを取る際には、リーダーとしての英語表現力やコミュニケーション力を磨く必要があるからです。チームを率いたり、プロジェクトをリードしたりする場合には、自分の意見を自信を持って表現し、自己主張することで、リーダーとしての存在感を示すことができます。また、個人としての役割を果たす場合においても、周りに配慮し、敬意を示したコミュニケーションを心がけることで、同僚やメンバーからの尊敬や理解を得ることができ、チームの成功に貢献することができるかもしれません。つまり、そのリーダーシップスキルの向上を図ると言うことは、チームや仲間を動かし、成功と導くためのコミュニケーション力の向上ということであり、ビジネス英語の向上の秘訣もここにあると考えています。





4. 異文化適応力


ビジネス英語のもう 1 つの重要な側面は、異文化に対する適応力です。 グローバルなビジネス環境では、さまざまな文化的規範や慣習を理解し、尊重することが不可欠です。 異なる文化的背景を持つ同僚、クライアント、またはパートナーとコミュニケーションをとる場合、文化的背景の違いから生じるコミュニケーションスタイルの違いを認識することが重要です。異文化間のコミュニケーションスキルというものは指標がなく、数値では図ることのできない納涼区です。しかし、過去10年、北米で日系企業の駐在社員の方々を指導してきた経験から、異文化間のコミュニケーションスキルを飛躍的に向上させることのできるタイプがあります。それは、その土地の文化やしきたりを積極的に受け入れ、さらには、楽しむことができる人たちです。つまりは、異文化適応力に長けている人たちです。彼らは積極的に現地の人たちと交わろうとし、そこから会話が生まれ、その土地にあった自然な会話表現や、社会的振る舞い、礼儀作法などを自然と身につけていきます。ターゲットとする文化に迎合したいという気持ちから、英語学習への動機付けも大きく関わっていると思われ、英語力の向上もみられます。もちろん、全ての人がこのような能力を持ち合わせているわけではありません。しかし、その土地の言語や文化をよく理解している英語講師は、文化的・社会的障壁になりうる問題を取り除く手伝いをしてくれるため、その文化への適応力を高めることができるかもしれません。





■ まとめ:自分自身が学びたい「ビジネス英語」を明確にすることから始めよう。



「ビジネス英語」とは1つの確立したジャンルのように聞こえますが、「ビジネス英語」を一色単にして考えるのではなく、自分自身はどのような「ビジネス英語」を学びたいのか?、まずはここを明確にしてみましょう。

その上で、英会話スクールに通ったり、講座を受講したりするのであれば、その学校が「ビジネス英語」をどのように定義しているか、確認してください。


上記にある通り、「ビジネス英語」とはただ単に、ビジネスで使う英単語・文法を並べるだけの英語ではありません。ビジネス英語を構成する要素(EBLSでは上記4つ)に目を向けながら、学習を続けることが大切です!


ご自身の目標に向かって頑張ってください!





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